
概要
性別/毛色:牡馬/栗毛
血 統:父ミッキーアイル 母ミスラゴ(母父Encosta De Lago)
近 親:半兄バックスクリーン(現役1勝クラス→地方転厩)DMM
出資 状況:1口/2000口(7,000円)
戦 績:中央6戦0勝
獲得 賞金:中央:372万円
レース結果
| 日付 | 開催 | 天気 | R | レース名 | 頭数 | 馬番 | オッズ | 人気 | 着順 | 騎手 | 斤量 | 距離 | 馬場 | タイム | 上り | 馬体重 | 勝ち馬(2着馬) |
| 2025/8/24 | 3新潟2 | 晴 | 2 | 3歳未勝利 | 15 | 10 | 19.3 | 5 | 10 | 斎藤新 | 57 | ダ1800 | 良 | 01:56.7 | 40.8 | 448(-12) | メイショウコウベ |
| 2025/8/3 | 2新潟4 | 晴 | 9 | 3歳未勝利 | 15 | 8 | 60 | 9 | 5 | 斎藤新 | 57 | ダ1800 | 良 | 01:55.0 | 39 | 460(-8) | ホークライト |
| 2025/6/29 | 2福島2 | 晴 | 3 | 3歳未勝利 | 15 | 3 | 38.2 | 9 | 10 | 横山琉人 | 56 | ダ1700 | 良 | 01:48.6 | 38.4 | 468(-8) | ラストレガシー |
| 2025/2/2 | 1東京2 | 雨 | 3 | 3歳未勝利 | 16 | 15 | 138.9 | 12 | 12 | 横山琉人 | 56 | ダ1600 | 稍 | 01:41.4 | 39.2 | 476(+12) | ルヴァレドクール |
| 2024/10/26 | 4新潟7 | 晴 | 2 | 2歳未勝利 | 12 | 8 | 85.7 | 11 | 8 | 高杉吏麒 | 54 | ダ1800 | 良 | 01:56.5 | 39.1 | 464(-2) | ブラックジジ |
| 2024/10/14 | 4新潟4 | 晴 | 5 | 2歳新馬 | 15 | 10 | 29.5 | 11 | 13 | 斎藤新 | 56 | ダ1800 | 良 | 01:58.3 | 39.4 | 466(0) | スワッガー |
Wikiっぽい何か
概要
アストラン(ミスラゴ2022)は、父ミッキーアイル、母ミスラゴの血統を持つ綺麗な栗毛の牡馬で、2022年2月9日生まれです。
生産者は中尾由香さんで、吉澤ステーブルで育成され、斎藤 誠厩舎(関東)に入厩しました。総募集額は14,000,000円、募集口数は2,000口でした。
競走馬としては6戦0勝で、総獲得賞金は3,720,000円。最終的に未勝利で引退しました。
血統と配合の特徴
父ミッキーアイルはディープインパクト産駒として「スプリント GI で 3 着以内 3 回の成績も残したのは異質」であり、ミッキーアイル産駒の重賞勝利は全て1600m以下、そのうち9勝が1400m以下であることから、「短距離色が強い」と評価されている。
本馬も、「スピードがありそうでお父さんの血が強く出ているように感じます」という育成牧場のコメントもあることから、募集時点ではスピード志向の短距離馬と目されていました。
また、母ミスラゴの血統特性としては、「愛国産の母は重厚さを備えながらも、米国的要素を備えるバランス型の繁殖牝馬。父の距離適性と持ち味を尊重しつつ、能力の底上げに寄与してくれそうです。」とされており、やはり関係者からは短距離馬として期待されていることが分かります。
北海道での鍛錬の日々
2023年7月31日、辻牧場では「馬体の硬さが解消されつつあり、ミッキーアイルの歩きの柔らかさが少しずつ出てきました。その上で体に伸びも出てきたので、短距離色が強いという感じではありません。体は細すぎず太すぎず、いいバランスの馬です。」とコメントされており、気性については「気性が非常に良く、全く手がかからないのはミッキーアイル産駒にしては珍しいです。」と高い評価を受けていました。
2023年8月10日に吉澤ステーブル北海道本場に移動し、育成牧場での馴致や調教が開始されました。
2023年9月12日:415kgで乗り馴致を始めており、筋肉量増加について言及。
2023年10月11日:坂路調教を開始、初めは1ハロン22〜20秒ペース。気性について「テンションが上がりやすいので少しずつ進めた方が良さそうです」とのコメントあり。
2023年12月16日:455kgで坂路を1ハロン18秒くらい。「体重も一気に増えて見た目がかなり良くなりました。休ませて体が増えたわけではなく、乗り込みながら増えたので非常にいい傾向だと思います。」
2024年3月21日:465kg「坂路で 1 ハロン(約 200m)12 秒台でもスッと動けるようになりました。」「課題はずっと口にしていますが、もう一回り体が大きくなってほしいです。それ以外は何も心配ありません」
2024年4月18日:「早い時期から時計を出せていましたし、その負荷に難なく応えてくれて優等生というイメージが強いです。」と非常に高評価でした。ただし、「まだトレセンの負荷に耐えるのは大変だと思います。」とのコメントあり。
以上吉澤ステーブル北海道本場でのコメントと馬体重をピックアップしました。
順調に調教を詰めているものの、トレセン調教に向けてさらに体力をつける必要性が示唆されていました。気性については、唯一10月11日のコメントに「テンションが上がりやすい」旨の言及があるものの、他は一貫して「優等生」「大人しい」との評価でした。
本州での転機
2024年4月24日に吉澤ステーブルEASTへ移動しました。2024年5月1日の馬体重は464kg。「スタミナが足りず疲れやすいところがありますし、前に体が出づらいので体力と筋力を付けたいです。首を丸めて走るところがあります」とこれまで指摘の無かった課題が早速浮き彫りになりました。
2024年5月29日の馬体重は482kg。本州に来て1か月程度ではありますが、馬体重も増加しパワーがついたとの評価でした。翌日トレセンに初入厩し、ゲート試験を目指すことになりました。入厩後の2024年6月4日に「飼葉は結構食べているのですがまだ子供っぽく、もう少し背腰に肉が乗ってくるといいなと思います。馬っ気が強いですが、立ち上がって悪さをするほどではなく、走りに関しては一生懸命な感じです。」とここで始めて「馬っ気」について言及がありました。当時は気にも止めていませんでしたが、ここから去勢するまで「馬っ気」は本馬について回ります。
2024年6月5日にゲート試験を受けたものの、残念ながら不合格。反抗的な態度は筋力及び体力不足からきていると調教助手から指摘がありました。2024年6月7日に再度ゲート試験を受け、合格できたため、リフレッシュ放牧に出ることとなりました。
鍛錬と実戦の差
体力不足の解消のため、2024年6月8日から吉澤ステーブルEASTにて乗り込みが始まります。
2024年6月26日には「背腰からトモにかけて筋肉が付いてきたので、それに伴って頭も上がり走り方が良くなってきました。」と手ごたえをコメントされていました。
夏の期間、吉澤ステーブル EAST で継続して乗り込まれ、8月22日に美浦トレセンへの移動が決定しました。調教ではウッドチップコースで追い切るなど進められましたが、調教師は体に緩さがあることを指摘し、当初検討されていた 9月21日のレース(中山ダート 1800m)は見送られ、東京開催を目標とすることになりました。9月19日の時点で、調教の動きが改善したため、10月14日の新潟 5R・2歳新馬(ダート 1800m)でデビューすることとなりました。
10月14日、斎藤新騎手でデビュー戦に臨み、結果は13着でした。レース後、騎手と調教師からは、馬に「気持ちがない」、「真面目に走れていない」、「マイペース」であるとの指摘がありました。10月23日、ハミをリングビットに交換するなどの対策が取られ、10月26日の新潟 2R・2歳未勝利(ダート 1800m)に高杉吏麒騎手(2kg減)で連闘することになりました。10月26日の2戦目は8着でした。レースを使って良化は見られましたが、勝ち切るには「前進気勢」が足りないとの評価でした。
10月28日、レース後の馬体や脚元に問題はありませんでしたが、吉澤ステーブル EAST へ放牧に出されました。現状のままでは未勝利戦の突破は難しいため、兎にも角にも鍛錬を積むこととなりました。
ここで立ちはだかったのが、外厩の設備差です。吉澤ステーブル EAST は非ノーザン系外厩として一定の評価を得ていますが、坂路の設備不足を指摘するネガティブな意見も目立ちます。
以下、他外厩との特徴やXに投稿されている意見をまとめた表です。
| 比較対象 | 坂路の特徴(比較点) | EASTの評価(相対的) | X投稿例 |
|---|---|---|---|
| 美浦トレセン坂路 | 全長1200m、高低差33m(負荷強) | 短く勾配浅いため、EASTからの移行で「更に進化する」と期待。時計が出ない馬はEASTの限界を指摘。 | 「美浦とEASTの坂路レベルが違う。高低差33m vs 650m 3.5%」(2024年8月) |
| NEW ERAヒモリファーム(関東) | 全長1200m(非常に長い、綺麗) | EAST以外で「めちゃくちゃ長い坂路にフェ〜」と羨望。EASTは「関東の選択肢が少ない」象徴。 | 「関東外厩はEAST以外にNEW ERAが綺麗で坂路1200m」(2024年10月) |
| NF天栄(ノーザン系、福島) | 全長1000m以上、坂路複数(高負荷) | 非ノーザンではEASTが次点だが、天栄に劣る。馬の成長速度で差が出る。 | 「関東は天栄が抜けて強い。EASTは非ノーザンで有名なぐらい」(2024年4月) |
| チャンピオンヒルズ(関西) | 全長1400m、勾配5%超(長く急) | EASTの650mが「寂しい」。関西外厩の優位性を強調。 | 「チャンピオンヒルズを見てEASTの坂路が寂しく見える」(2022年1月) |
| 山元トレセン(宮城) | 坂路あり(リハビリ向き) | EASTより北で「ギリギリ関東外」。療養用途でEASTと併用例あり。 | 「山元は宮城じゃん。EASTが関東非ノーザンのメイン」(2024年5月) |
| ノーザンFしがらき(関西) | 全長1200m、高低差大(トップクラス) | 「ノーザンだったら全然違っていた」との嘆き。EASTは「設備不足か技術不足か」。 | 「アストランがノーザン育成なら体力がつくのに」(2024年6月) |
アストランには吉澤ステーブル EASTさんにお世話になるしか選択肢が無かったものの、2歳のこの時期に高負荷の坂路でビシバシ鍛えてもらえなかったのは、正直厳しいですよね。
さて、話は元に戻り、当初はレースの疲れが出て、コズミ気味だったものの、徐々に復調し順調に鍛錬を積むことができました。少なくともネガティブなコメントはありませんでした。
調整が進み、2025年1月12日に美浦トレセンに帰厩しました。1月16日は美浦トレセンの坂路で調教。ブラックラリア(3歳未勝利)に遅れ、斎藤誠調教師は変化がない印象とコメントがありました。
2月2日、3戦目となる東京 3R・3歳未勝利(ダート 1600m)12着でした。騎手からは、ゲート裏で男馬を見ても乗ろうとする「馬っ気」が見られ、気持ちが走る方に向いていないことが指摘されました。
去勢手術と引退
2月4日に吉澤ステーブル EAST に放牧された際、斎藤誠調教師から、レースでの変化がないこと、気持ちが走る方に向いていないことから、去勢手術の提案があり、実施されることになりました。
去勢手術は2月18日頃に行われ、経過は良好でした。去勢後は精神的に落ち着き、集中力が高まり、牝馬と並走しても「馬っ気」を見せることはなくなりました。体の成長も見られ、無駄な肉が落ち、素軽い動きになりました。
6月3日、去勢後の調整を終えて美浦トレセンに帰厩しました。
未勝利戦も残り少なくなった6月29日、4戦目となる福島 3R・3歳未勝利(ダート 1700m)は10着でした。騎手は去勢効果で勝負所の反応は良くなったと感じたものの、調教師はレースぶりがあまり変わらなかったと述べています。
7月1日、調教の動きがレースに繋がらないことから、気分転換として放牧先をNEW ERAに変更しました。7月16日に美浦トレセンに帰厩し、8月3日の新潟ダート 1800mを目指して調整が進められました。
8月3日、5戦目となる新潟 9R・3歳未勝利(ダート 1800m)に斎藤新騎手で出走し、5着となりました。騎手は「我ながらいい競馬だった」と評価し、優先出走権を確保しました。調教師も去勢効果をやっと感じ、勝ち上がりを間に合わせたいと意気込みました。
8月24日、優先出走権を使って6戦目となる新潟 2R・3歳未勝利(ダート 1800m)に出走しましたが、10着に敗れました。斎藤調教師は、馬体重が減っており、最後は苦しくなったと述べました。
8月25日、レースで優先出走権を獲得できなかったため、未勝利戦への出走が困難になったことから、クラブで協議した結果、サラブレッドオークションに出品することが決定し、アストランは競走馬登録を抹消され、8月28日にオークションに出品されることになりました。
まとめ
アストランは当初「優等生」と目されていたものの、去勢するまで自身の気性によって力を発揮することができず、不完全燃焼で終わってしまったという、何とも言えない結果でした。
レースや美浦トレセンでは「馬っ気」に言及され、吉澤ステーブル EASTでは「馬っ気」に言及されなかった所を見ると、もしかすると、調教負荷が上がり体がしんどくなると「馬っ気」を出すタイプだったのかもしれないですね。
外厩に高負荷坂路があれば、早々に馬っ気が出て、去勢する時期が早くなり、未勝利戦もゆったりとしたスケジュールで挑めたのではないかと考えてしまいます。
出典:DMMバヌーシーhttps://banusy.dmm.com/
ウイポ絡み
本馬はもちろんウイポに収録されていません。
祖母アシカ(Athyka)は、ウイポに収録されているので、祖母を所有して母ミスラゴ(母父エンコスタデラゴも収録されています)を自家生産すれば、ウイポでもアストランを所有できますね。
個人的な感想
サラブレッドオークションでは岩渕瑞生オーナーに落札されました。岩渕オーナーは地方で400勝以上されており、近年ではマイネルアストリアやゲンパチプライドなどJpnIにも出走経験のある競走馬を所有されています。末永く可愛がっていただけると幸いです。


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